更新日|2019年9月30日
フェルミ推定の最も重要な基礎 【4つの解法を習得せよ】

フェルミ推定やケース面接にちゃん時すると上手く行くときと全くダメな時がありませんか?その場合、フェルミ推定の最も重要なポイントを理解していない可能性が高いです。
この記事ではフェルミ推定を解くに当たって最も重要で基礎になる考え方を紹介します。

どんな方に読んでほしいか
ケース面接初心者で、主にフェルミ推定が課題の方
ケース面接の対策をこれから始められる方
記事の信頼性
記事を書いている私は、新卒から7年間外資系戦略コンサルティング会社に勤務しており、プロのコンサルタントとして数百名の面接を行ってきました。その経験からコンサル選考について語っております。また実際に自分自身がベイン・BCGに合格するまでの特訓方法も踏まえて話しています。
さっそく見ていきましょう!
最も重要なポイントとは?

それはズバリ、「フェルミ推定の四つのタイプを理解しているか」です。
ほぼ全てのフェルミ推定は実は以下四つのタイプの解き方で解くことが可能であり、これらをしっかりマスターした上で、必要に応じて使い分けて行けることが重要になります。
フェルミ推定四つのタイプ
①消費型
②所有型
③存在型
④稼働率型
これを見て『なーんだ、そんなこと知ってるよ』という方はここで読むのをストップしてもらった方が良いです。その調子でマーケティングや成長戦略を鍛えていきましょう!
『どういう意味だろう?』と思った方は、この記事をしっかり読むことをおすすめします。
なぜ四つタイプの理解が重要か?
もし皆さんがフェルミ推定の計算式を考えるのに5分以上時間がかかっているなら、それはこの四つのタイプを十分に理解していないからです。
これら四つのタイプに慣れておくことで、お題の商品を振られた瞬間に計算式が浮かぶようになり、素早くフェルミ推定を終わらすことができます。
そうすることで、計算式や仮定の置き方などの議論を早く終わらせて、より意味のあるセグメンテーションや成長戦略の議論に移る事ができます。
では四つのタイプとはどんなものなのか?順に説明していきます。
①消費型

消費型の計算式は以下のようになります。
市場規模(年間) = 母数 × 利用率 × 消費頻度(年間) × 単価
この式は一般消費財やサービス商品などの解法として最も適切です。
例としては「マッサージ」「コーラ」「おしぼり」「ガム」「ECサイト」・・・などがあります。
例えばコーラの市場規模であれば、以下のようになります。

消費型では、利用者の割合はどのくらいか?どのくらいの頻度で購入するか?平均単価はどれくらいか?という点に気をつけましょう。
②所有型

所有型の計算式は以下のようになります。
市場規模(年間) = 母数 × 所有率 × 保有数 × 単価 ÷ 買い替え頻度(年)
このタイプではストックの概念を「買い替え頻度(年)」で割ることで年間の流通量に計算し直すことがポイントになります。
この式は耐久消費財や電子デバイスなどの解法として最も適切です。
例としては「テレビ」「腕時計」「冷蔵庫」「カーテン」・・・などがあります。
例えばテレビの市場規模であれば、以下のようになります。

所有型では、所有者の割合はどのくらいか?平均何台所有しているか?買い替え頻度はどれくらいか?という点に気をつけましょう。
③存在型

存在型は所有型に似ていますが、母数が個人ではなく施設や場所になります。計算式は
市場規模(年間) = 母数 × 設置率 × 設置数 × 単価 ÷ 買い替え頻度(年)
この式は機器や装置などの解法として最も適切です。
「エスカレーター」「エレベーター」「自販機」「郵便ポスト」・・・などです。
例えばエレベーターの市場規模であれば、以下のようになります。

存在型では、所有型の注意点に加えて、母数をどう考えるかが重要です。郵便ポストや自販機などでは「駅」や「市町村」を母数にするなど調整が必要です。
③稼働率型

最後は稼働率型になります。このタイプの計算式は以下のようになります。
市場規模(年間) = キャパシティ × 回転数(日) × 稼働率 × 単価 × 365日
この式は店舗型サービスや事業の解法として最も適切です。
例としては「ラーメン屋」「カフェ」「映画館」「遊園地」・・・などがあります。
例えばあるラーメン屋の年間売上であれば、以下のようになります。

稼働率型では、キャパシティをどう想定するか、稼働率や回転数を妥当に想定できるか?が重要です。
(補足)セグメンテーションの概念
実際にはこれらの四つのタイプを基礎として、セグメンテーションも組み込みます。
具体的には、コーラの母数を「世代」で分けたり、ラーメン屋の稼働率を「時間帯」で分けて計算したりすることです。
フェルミの四つの解き方とセグメンテーションを組み合わせることでより良いフェルミ推定が可能になります。
以下参考図書を掲載していますが、有料noteでもケース面接一問一答を書いています。
採用側から見て、どの程度できていれば通過できるのか?といった視点で書いていますので参考にしていただければ幸いです。
【参考図書】四つの解法を使って練習問題を解きましょう!
いかがでしたか?
以上がフェルミ推定を解く際の最も重要な基礎知識になります。しっかり覚えられましたでしょうか?
この基礎知識を意識した上でバリバリ実践問題の数をこなることが、上達に繋がります。
さらに二次面接、三次面接を突破していくには構造化、マーケティング発想、コミュニケーションなども必要になりますが、それらも本ブログから勉強していってください!